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Although the world is full of suffering,
it is full of the overcoming of it.
- Helen Keller

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【世界観小ネタ】人魚的神秘性が皆無な人たち ※追記あり

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私の作品世界には鳥や獣などの体の特徴を持つユニークな人たちがいるのですが、その中に人魚っぽいグループもいることはご存知だと思います。

そう、シャチ族です。

シャチ族の戦士

シャチ族は下半身が足でなく尾ひれという人魚とそっくりな姿をしています。しかし、一般的に人魚に抱かれる妖しさや神秘性が全く無いですよね。普通にただの(?)水中の狩人・戦士という印象のほうが強いと思います。
比較としてPixabayで拾ってきた人魚の画像を載せていますが、雰囲気が全然違うのがお分かりいただけるかと思います。

イベントやSNSなどを通して出会った方々には、このキャラクターデザインにも共感をいただいております。ありがとうございます!
なので今回は彼らのキャラクターデザインにおける、私のこだわりや思いについて綴らせてもらいたいと思います。

■ 下半身が魚という設定だとクソ面倒くさい


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水中を自由に泳ぎまわる人型の種族として一般的なのは「人魚」です。英語ではmermaidといいますが、これは概ね女性の人魚を指します。男性の人魚はmermanと呼ばれ、最近は男女の総称としてmerpeopleなんて言葉もあります。
こういった種族の下半身は、魚(ウロコのある硬骨魚類)であるのが相場だと決まっています。そして大抵は女性。ギリシャ神話のセイレーンの伝説でも有名なように、人魚というのは男を誘惑する神秘的で危険な存在として認識されています。人ならざるものとしていろいろ特殊能力があるとか、肉体にすげえご利益がある、っていう伝説も世界各地に存在し、それらに基づいた設定が映画や漫画などにおいて見られ、まあエログロのイメージが付随しやすい感じです。

10年ぐらい前、私も独自に人魚みたいな種族を創作していたんですが、そのときはまだ下半身は魚の設定でした。世間の一般的なイメージと自分の創作ネタとのギャップを面白がりたくてネットでいろいろ人魚伝説について調べたのですが、調べてわかったのが、下半身が魚のままだと上記のイメージで見られまくる、ということでした。つまり、男性人魚はゲイに見える、肉食とかあり得ない(人を襲うのは有りだけど)、神秘の怪物が人間並みに自己主張するのは奇妙、ということでした。

「いやいや、お前ら(世の中)がいろいろ偏見持ちすぎなんだよ」と思って意地を張っていましたが、初めて見る人に説明してもわかってもらえる自信がなかったし(直接は見せなかったもののまず母親の反応を見て自信を失った)、過度なギャップ萌えはかえってギャグになりそうという心配が生じ、もやもやしたまま人魚キャラのネタは一旦途絶えました。

■ シャチに設定したら一気に問題解決&作品世界にフィットした


現在描いているシャチ族もそうですが、「下半身が尾ひれになってる=人魚」ではないのが私のネタです。しかし、下半身が魚類のままだと「いや、どう考えたって人魚でしょ」って話になりますよね。昔は下半身が魚になってるオリキャラたちについては「水人(みずびと)」っていうオリジナル名称をつけていましたが、なんかあまりピンと来ませんよね(作者の私自身微妙な感覚だった)。だから、下半身が魚の設定のままではいろいろ不都合が多いと思うようになりました。

「彼らだって人間の一種なんだから肉食してて当たり前」「普通に男も女もいる」「伝説なんて全部ウソ」……。10年前から死守してきたこれらの設定を全部生かそうと思ったとき、不意に下半身をシャチにしちゃったらどうかと思いました。
シャチは群れでクジラやアザラシなどを襲う優れたハンターで、人間と同じ哺乳類。スポーティーなルックスで変な神秘性もついていません。これなら男性キャラがいても、肉食してても誰も奇妙に思いません。「人魚に似てるけど人魚じゃねーよ」って言えば「まあ、そうかも」と納得してもらいやすいですよね☆

またシャチに設定したことで思わぬメリットがありました。それはシャチという動物が、北米先住民(カナダ・ファーストネーションズ)と非常に深いかかわりがあること、群れで狩りをする様がオオカミに似ていること、というように私の普段の創作活動と非常に相性が良いということがわかったのです。下半身が硬骨魚のままだったらとても浮きます。狩猟民文化とメルヘンが混じっちゃってるみたいで。

オリジナル民族の文様

そして彼らに狩猟民としての文化や暮らしを設定することで、彼らがシャチみたいな外見の民族だという認識を見た人に持ってもらうことが出来ます。そうすれば、もはや彼らが人魚みたいな神秘的な人外ではなく、「そういう人種」というように思ってもらいやすくなるでしょう。彼らが住む場所を追われたり、迫害されている歴史があり、自由を求めて訴えている、って物語を綴ってもそんなに違和感は無いと思います。

【おまけ】下半身は、足になるの?


ところで、下半身が尾ひれの人たち(人魚とは言わない)が出てくる話では、最近の作品だと陸に上がると自動で足になることが多いようです。もはや人魚姫も魔女にお願いしなくても自力で王子様に会いにいけるんですよ。

じゃあうちのシャチ族はどうなんだ、という話ですね。足になります。っていうか、足なのがデフォルトです。

shina-orca.png

このイラストでは普通の足ですが、(最新の設定では)足にもうっすらシャチの白黒の柄が入っています。生まれてくるときはみんなシャチ柄の入った足になっています。
水をかけられると自動で尾ひれになる、なんてメルヘンな設定はありません。逆に水がなくたって尾ひれになることは可能です。要するに環境に関係なく自分の意志で足にも尾ひれにも変えられます。

魚から両生類への進化や、逆に陸上動物から海洋動物に進化する過程を見ていると、腹びれが足になり、尻尾があの平たい尾ひれになっています。なのでシャチ族の尾ひれもそれに従えば尾骨が伸びたものが尾ひれになるはずなのですが、彼らの場合はそうではありません。足の骨が尾ひれに変化しています。ちょうど、モノフィンを装着したり、人魚スーツを履いている人が泳いでいるのと同じ感じです。動物で言えばアザラシに近い。
足の骨を縮めて尾骨を伸ばす、なんてそこまで個人的変異は大変です。それなら両足がくっついてつま先の骨が平たくなるほうがまだシンプルで体への負担も少なくて済みます。(正確には、脚の骨は変わらず筋肉の構造だけ変わる)なのでズボンやパンツなどを履いたままでは完全に両足がくっつかず、中途半端な形になってしまいます。
ぶっちゃけたことを言うと、シャチ族はシャチではありません。あくまでシャチみたいな体の特徴を持つ人類です。だから他人の空似で、体の構造が完全にシャチと同じわけではないのですよ。

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