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Although the world is full of suffering,
it is full of the overcoming of it.
- Helen Keller

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私の創作作品の立ち位置【「ネイティブ風」じゃねえよ】

何度も言及しております通り、私は北米先住民やアイヌなどの北方狩猟民族に深い関心があります。そして、その本気っぷりはカナダやアメリカを訪れたら絶対先住民文化に直に触れに行くレベルです。自分の部屋には(日本国内で買ったイミテーションも含めて)ありとあらゆる先住民グッズで溢れています。此処まで来るともはやインディアン・オタクと呼んでも過言じゃない気さえしてきます。

そのため私の作品も、かなりそれらに似た雰囲気になってしまっているのは、多少なりとも北米先住民文化に馴染みのある方ならすぐにわかります。

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ただ、私としては「似てても同じじゃねーよ。ちょっと似てるだけだぜ」止まりとしています。

具体的には、出てくる特殊な用語は全部オリジナル(「ネネ・ピズ」「アナト・ピズ」 など)だし、ファッションもよく見ると似てないし、北米先住民を象徴するドリームキャッチャーやトーテムポールも存在しません。
絵柄がちょっとカナダ・ファーストネーションズに似ていたこと、服に部分的にフリンジがついてること、羽根飾りがついていることがなんかそれっぽい、というぐらいに過ぎません。
それにもっと根本的な話、彼らはかなりコーカソイド(白人)に近い肌色や顔つきをしています。

■ なぜそこまで「別」であることにこだわるのか


3月にシアトルの先住民ショップに行った記事(リンク)でも述べてあります通り、当事者でない私がその民族をモチーフとして表現したものは全部イミテーション(偽物)になるからです。そしてイミテーションが知ったかぶりして創作ネタを混ぜ込んで拡散するのは、誤解を撒き散らすことにもなってかえって彼らに失礼だと思うのです。
例えば日本文化の事例で考えてみます。アメリカとかではニンジャが大人気で持ち上げられすぎて、スーパーヒーローみたいな姿で描かれてることが多いですが、我々日本人としてはなんか複雑な気持ちでしょう?それと同じことです。

また以前、ディズニーがポリネシア人をモチーフとしたアニメ作品のハロウィンコスチュームを販売したことで、マオリの人々が抗議の声を上げた事件もありました。
>> ディズニーのハロウィン衣装にマオリ族が抗議「死んだ人の宝石を着けるようなこと」 | ハフポスト

だったら参考までにはしても、全くの別物としておいたほうが誰も傷つかないし、ツッコミようがありません。「ファーストネーションズそんなんじゃないんですけど」←「うん、だからこの人たちはファーストネーションズじゃありませんから」ってね。
なので、あまりにもモデルとなった文化を象徴するオブジェクトは描かず、ある程度他の似た文化圏でも見られる品や、独自に考えた品を描くようには心がけています。

欧米人がニンジャ風スーパーヒーローを描きたい場合も、日本っぽい雰囲気ではあっても文化や名称を全く別物としてくれれば、我々日本人もそんなに苦にならないですよね?

■ 有名とか無名とかは関係ない


「でもそれはある程度知名度が上がったときのことでしょ? あんたはまだまだ無名なんだからもっと自由でいいじゃん」
此処まで読んでいただいた方で、中にはそんな風に思う人もいるかもしれません。(私も内心そう思うことがあるし)
でも私は、自分の作品との向き合い方を知名度で変えるようなことはしたくないのです。

もちろん、知名度が上がることで様々な人からの反応が増え、それによって考慮すべきことが以前よりも増える、ということはあり得るでしょう。また知名度に関係なく以前考えていた設定では問題があると判明して変える事もあります。しかし、知名度を理由に、現時点で配慮しておくべきことをないがしろにする態度は、私はプライドがないと思います。

イベントやSNSで作品を紹介するときは、見る人に興味を持ってもらうきっかけとしてつい「カナダの自然や先住民文化に憧れて表現しました」って言っちゃってますが、本当はそういう言い方はしたくありません。実際そうだとしても、あくまで私が描いているのはオリジナルのファンタジー世界。ファーストネーションズの人たちとは無関係なもの。そのプライドを維持しながらどうやって理解の輪を広げていくのか、来年以降の発信の課題となりそうです。

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