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Although the world is full of suffering,
it is full of the overcoming of it.
- Helen Keller

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「好きなことを仕事にするのが一番幸せ」←私にとっては違うと思う

私は昔から絵を描くことが大好きです。そして、絵がもっと上手くなるように本を買ったり、クロッキーをしたりするし、自分の作品をネットに載せたりイベントに出展して販売したりしています。しかし、私は絵を描くことを仕事にしたいとはまったく思いません。

子どもの時から同級生や知り合いに絵を見せると、褒めてくれると同時に大抵「将来漫画家とかイラストレーターになるの?」と聞かれました。また、父親は私に好きなことを仕事にしてほしいと思っているのか、高校受験を目の前にして絵の通信教育を勧めてきたり、私に無断で勝手にイラストコンテストに作品を送ったりしたことがあります。またつい最近も、カードのデザインとして私がフリーのイラスト素材を配置したら、私が描けたら良いのにと、父はすごく残念そうでした。

父も含め多くの人は、好きなことを仕事にするのが一番だと思い込んでるようですよね。父は盛んに「いくら好きでも趣味のままでは趣味のスキルのままだ」って言うんです。それって趣味のままでは勿体ないってことですよね?
つまり、「素人=下手」「プロ=上手い」というふうに考えてるんでしょう。

でもね、私はその考え方は至極稚拙で素人的だと思うんです。仕事、ビジネスっていうのは、スキルさえあればいいってもんじゃないんですよ。クライアントから依頼があって、それに応じた絵を描かなくてはなりません。相手の要求に応えられる能力が必要なんです。そこには自分の好みに合わないものや、妥協なども少なくありません。
私は一般受けするような絵を描きたいとは思わないし、一方で巨乳の萌えキャラや甲冑に身を包んだ細面のイケメン戦士を描きたいとも思わない。否、すげえイヤです。また絵を見るユーザー層に合わせて絵柄を変えるなんてことも、自分でないものになるみたいでめちゃめちゃ気持ち悪いんです。絵柄を変えるというのは思ってる以上に大変なことで、かつて職業訓練に通っていた頃、私なりに絵柄を変えてみた作品を先生に見せたところ、「同じ人が描いたものだとわかるね」って言われました。


私にとって絵を描く、創作するというのは、とても神聖なものだと思っています。自分の理想や憧れ、大好きな物を具現化するためのものであり、誰かに迎合するためのものではないのです。これではビジネスにはなりません。もしも誰かが私の作品を全面的に気に入ってくれて、そのまま売って欲しいと言ったら喜んで応じますが、売れるように修正することを求められたら速攻で断りますよ。

稀に軽い気持ちでギャグっぽい絵を描くこともあり、そっちはよくわからないけど家族やネットではすごくウケます。デザイナーを志し始めたころ、まだAdobeのソフトを使えなかった時分は、そういったギャグ絵をポートフォリオとして出すことを家族から強く勧められました。
でも、さほど嬉しくないんですよね。そっちばっか評価すんなよって思うんです。本当の私はそっちじゃない!ってすごく思っちゃうんです。


「お前は絵を描くのが好きだろう、だったらそれを仕事にするべきだ」という言葉を真に受け、好きでもない絵を描いているのは苦痛でしかありません。しかも絵を仕事にした現場ってすごくブラックなとこが多いじゃないですか。それなら会社員やりながら趣味で絵を描いてる方がどれだけ幸せだろうか。


前回の記事にも書いたように、私はWEBデザインを仕事にすることを選びました。確かにデザイナーになりたいと思ったのも、絵を通して美的センスを生かした仕事をしたいと思ったからです。でも、絵と違ってダイレクトに自分の個性を出さない分、まだ相手に合わせられます。事実仕事や依頼で多少なりともやってきてるしね。でももしこれを、社長の似顔絵描けって言われたら私には罰ゲームでしかありません。


そして、自分の思いを詰め込んだ作品をね、他人の尺度でもって評価されたくないんですよ。たしかに私はまだ画力も至らないところあるかもしれない。表現に説得力が欠けるところがあるかもしれない。でも、イラコンとかの評価なんて詰まるところ審査員の好みによるところでしょう? 相手に合わせる前提で描いたって楽しくないし評価されても嬉しくないし、逆に100%自分の思いを込めて落ちたら私そのものを否定されたようで傷つきます。前述したように、父はかつて私に無断でイラコンに私の作品を送りつけました。結局のところ落ちたんですが、私だったら傷つきたくないから最初から送らないのに、父が余計なことしたせいですごく傷ついたんです。父は娘思いの割に、人の気持ちにはすごく鈍感なのでわからないんですよね……。



半分愚痴のような内容になってしまいましたが、何故こんなことを描いたのかというと、自分のもやもやをすっきりさせたかったと同時に、「絵が好きなら仕事にすべき、コンテストに応募すべき」っていう強迫観念はいらないってことを言いたいのです。
私は長年こういった強迫観念があったため、自分の絵について自信が持てなかったし、逃げてばっかりだと卑下していました。
しかし、自分は絵を通して何をしたいのか考えたとき、果たして仕事にしたり、コンテストに応募したりすることが正解なのだろうかと思いました。周りの人間は一般論や自分たちの思い込みでもっていろいろ言うけれど、彼らは私の人生を肩代わりしてくれるわけではありません。彼らの言うことを真に受けていたら、彼らに振り回され、自分を見失ってしまいます。