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創作だったり、思うことだったり、旅行だったり。

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動物の擬人化に違和感がある話

昨今巷ではやたら擬人化が目立ちますね。ゆるキャラやオタク文化がメジャーになってきた影響でしょうか。もうとにかくなんでもかんでも擬人化すればウケる、みたいな空気感を覚えます。

その中でもやっぱり漫画やアニメを通して多いのが動物の擬人化ですね。日本のみならず外国(ディズニー)でもそういう作品があったことは記憶にそんな遠くないかと思います。

擬人化は多様性の尊重なのか?

でも私はああいうのを見ていると、無性にイライラしてくるんですよ。肉食動物も草食動物も関係なく皆同じように人間のように文明社会に暮らし、それを製作者やメディアが「多様性溢れる世界だ!」と声高にアピールしているとね。

絵本で見るように人間を動物に喩えてるんじゃないんですよ、昨今のは。あくまでウサギはウサギ、キツネはキツネ、オオカミはオオカミとして、その生物種に人格が与えられ、服を着て二足歩行して喋ってます。

私はけっして「動物に感情なんてない」と思う派ではありません。むしろ「動物にも感情はある」と思う派です。でも、彼らの生き方や感じ方が、人間のそれと全く同じであるはずはないじゃないですか。それなのに人間のような生き方をさせておいて「多様性を尊重している」なんて矛盾しているんじゃないかと思えてしょうがないのです。

別に擬人化はやりたければ勝手にやればいいと思いますよ。でもそれをね、多様性について考えたメッセージ性のある作品であると言いたげだったり、意識高い系であるかのように宣言するのはちょっと違うんじゃないですか?と言いたいんです。

「肉食動物と草食動物は仲間」とすることで必ず起きること

雑多に動物たちが集まり人間のような生活をしている物語では、当たり前のように肉食動物と草食動物は仲間として描かれます。すると何が起こるかと言うと、肉食動物は仲間であるはずの草食動物を食べてしまいかねない食人族同然にみなされるわけです。そのため、その行為に及んだ者は殺人犯とされ、それ以外の者は自分たちの本来の摂食行動を自粛せざるを得ないわけです。
普段、彼らは一体何を食べているんでしょうかね?

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つまり、仲間を食わない草食動物は温和、仲間を食いかねない本性を持つ肉食動物は凶暴、という極めて偏った価値観が生まれるわけですね。擬人化さえしなければ草を食うか肉を食うかだけの違いで済むのに。
そしてこの価値観に倣えば、草食は優しくて肉食は酷い、なんてメッセージにもなりかねませんよね。

人間社会にそぐわないとされる生態は無視

また食性に限らず、動物は個々種別によって生き方がまったく異なるのに、擬人化することで皆一律に人間的な性質を植え付けられてしまいます。その結果、人間社会では良しとされない動物の生態や習性は無視されるか、野蛮なものとみなされます。例えば繁殖期や一夫多妻、メスや食べ物をめぐる争いなどを人間社会に組み込めますか?そんなことをするやつは即刑務所行きになるでしょう。
安易に「人間化」することで、むしろ多様性を尊重しない考え方に陥るのではないでしょうか。

現実の「多様性を尊重する」と言っても、結局「ホモ・サピエンス」1種の話

現代は多様性を尊重しようとよく言われます。しかし、動物の擬人化と実際の人間社会には大きな違いが一つあります。それは「ホモ・サピエンスという1生物種しかいない」ということです。どんなに生活習慣が違っても、肌や顔立ちが違っても同じ生物種なんです。それを、全く異なる種の生物を雑多に混ぜようとするのは端からおかしいものなんですよ。種が異なれば生き方が根本的に異なるのに、人間化してその多様性を削ぎ落としてしまい、人間社会で受け入れられそうな範囲でのみ残しているわけです。